介護

NHKの特番で、介護施設での人出不足の問題があった
事態は単純な人手不足で片付かないもので
福祉の現場が抱える制度から始まってもいて複雑だ


人が人らしくある為には”余裕”が不可欠だ
介護の仕事は特にそうなのではないだろうか
人対人だから
現場に居るその人の人間力が頼りな入居者にとって、それは深刻だ
認知症を発症し徘徊が始まった或る御爺さん
深夜に徘徊を企て部屋を出てしまい施設の玄関エリアでスタッフさんに止められ
促されて部屋へと向かう
スタッフさんが優しく声をかけるが、本人は咎められてもいる状況を
ちゃんと頭のどこかで理解している
一方で、衝動にかられそんな行動をしてしまう自分を心の中で情けなく思っている
誰よりも自分でそんな自分が情けない
そんな背中が実にせつなかった


「いいんだよ気にしなくたっていいんだよ」と
肩を抱いて寄り添ってくれる人が居ない、その現実の深刻さは
入居者が独りで心の中に抱え込み
言いたい言葉を押しころし、ただ黙るしかないのだ
一人前に人生を生きてきて、そういう現実に押しやられる深刻さ


かと言って、その施設が抱える人で不足の現実も深刻だった
施設長がずっと毎日独りで夜勤をこなしておられた
まともに眠れず、食事も充分時間をかけられずの労働
こっちの深刻さも尋常じゃない


福祉の遅れはこの国に今後もっとおおきな影をうみそうな気がしてならない
自分の行く末に不安を憶えないでいられないが
私は自分の母としっかり寄り添っていけるよう頑張ろう

山茶花、地味な花だけど
冬がれた庭に映えて可憐