介護と香り

β-イオノンにはリラックス・ストレス解消効果があるのだそうだ
イオノンて?
これがなんと金木犀の香り成分に含まれているらしい

今朝のこと、台所のテーブルでぼ~っとしてると
網戸越しに風にのって金木犀がかすかに香ってきた!
ご近所っていうかお隣は高齢になって世話が大変だと切ってしまったけど
まだ、どこかに有るんだ!植えてるお家^^

かすかに香る程度だからちょっと遠くかも
でも嬉しくなった(^'^)
何故かテンションが静かに上がるのだ
父の四十九日の時期に香るので父の想い出に繋がるのもだけど
少し調べてみると、リラックス・ストレス解消効果があるってことで納得
癒される訳が解った☆彡

銀木犀の変形が金木犀ってことらしい
銀木犀は香りも花付きも金木犀より少ないらしいから
ひょっとすると、今朝風に乗って香ってきたのは銀木犀なのかな?

思えば9~10年前
右も左も知らない介護の世界へ
独りで母を抱えて飛び込んで以来
3ヶ所のデイサービス(その内1軒は3日で断られた)
2ヶ所のショートステイ
そして2ヶ所の介護付き有料老人ホーム
あちこちで、認知症の母と経験してきた
時には残酷に人の世の冷たさ、厳しさを弱い立場として初めて肌で知り
温かさ、情け深さも知った
福祉の場面に横たわる不条理の壁の高さも知った

いろんな意味でいま、母は安定している
自社比だけどw
そりゃ、照る日も曇る日もある
はっきりしてるのは体力的には弱々しいってことだ

先日、ちょっと散歩に施設の外に車椅子で出掛けてみたけど
50メートルも手前あたりで、しんどいと言って戻ってきた
昨日の夕飯はわりと良く食べれて
ご飯の後にセブンのバスクチーズケーキを半分個したw
目もしっかり開いたので
「お母さん、また珈琲館行こうよ!おうちにも帰ろうよ!」と声をかけると
うん、と頷いた
力強さにかけたけど^^
食事もフロアに出てテーブルで半分以下で
その殆どは部屋に帰ってベッドで横になって私が食べさせる
毎日介助に通うのが私の日課

長年の介護で私の心に積もったストレス
どこからともなく風に乗ってやって来てくれた金木犀の香りに癒された
少しずつ雪が溶けてゆくように癒されていくのかなぁ
ただ、そのストレスこそが母との介護奮闘記の想い出でもあり
微妙な気持ち

いい思い出だけ残せばいいよって
金木犀が言ってくれているのかな^^
訳もなく涙が流れる
こうして癒されると頬をつたうのだ
LIVEの帰り道もしかり

やっぱり独りで抱えてきた認知症介護の道のりは
私には厳しいものだったのだ
いつも張りつめて、ずっと居るのだろう
癒されるとその分
涙がつたい出る

認知症の母を抱え
誰にも何処にも頼れなかった過去の自分が泣くのだ