闘うべきか・・・

夜になると母が変異する
認知症に覆われているのは日中も変わらないが
深夜になるほど、病気に潜むもう1人の人格が顔を出す
「この家をいくらで売った!?」とか
「私は家に帰るんだから!」と、家に居て語気を荒げる
いつからか、母の中に住み始めているようだ
私がスイッチ入ってしまうと暴れるのが止められないように・・・

家族として一つ屋根の下で認知と闘いながら
傷つけあっているうち、お互い壊れてきて・・・


ある知り合いが「あんたがしてるのは親孝行でもなんでもない!」と
私に言い放った
ざまはなく、まったくそうだ・・・
それでも信じたいものがある
あると思っている
ある限りはとも思っているが
その「ある限り」がクセモノなのだろうか・・・

母が植えた「庭梅」が今年も満開になった
私は来年も再来年もずっと先もここに暮らして
この庭梅を見たい
見続けて生きていくのだろう
それが自然

よかろうが、どうでも
自然は自然
ただ自然なんだ・・・

この美しさに癒されるも自然
あらがえない猛威も自然


波風1つ立たない人生なんてない
夢かなわずに無力だと見上げた夜空
その闇が深いほど星は輝いて見える
今夜の星が眩しすぎるのなら
まだ闘えるはず・・・

笑ってもいいよ、でも聞いてよ
人は弱くとも
誰か1人の人くらいなら支えられるはず
あなたを必要をする人がここに居るから
あなたは決して無力じゃないから