前をむくということ

cherryblossom2016-02-05

母が認知症になってから、母との時間はそれ以前とは違ってきた
症状も段階的に変化していくなかで
介護する私の、される母の、苦悩、不安、焦燥感、時に絶望感
お互いが孤独だ
悪い時だけでもない、安穏に和んで花を見て、近くまで出掛けるドライブの中
珈琲待ちながらのひと時もある


そんな中で伝えておきたい事は話をしようと思う
ふと独り言のように「おねぇちゃん、ありがとう」と言う母
そんな時は「お母さん育ててくれて、ありがとう」とかえすと
首をふりながら「子供は育てるの当り前」と言う
さらに、弟を頼むよとも言う
遠方に暮らす息子のことを気にかけている
私のほうがしっかりしてると母は思っているらしい


深夜何度もウンチに起こされて不機嫌な私に
「こらえてよ」という
時に情けなさで泣く母、私も泣く
母に泣かせる自分が情けなくなって泣く
お互い、「ごめんよ」「ごめんね」と言いながら泣く


同じことを繰り返し繰り返し言う母と2人きりの空間
お互いが孤独感に苛まれる時もあった
訳がわからない母
誰かここに居てほしい私
きっとそれは母にとっても結果的に同じだろう


1人で認知症を介護する生活はそもそも無理だ
ショートを利用しながらだけど
いずれは介護付きの施設入所を考えている
ショートと同じように帰宅もしていく前提だ
ちょくちょく覗くことも出来るよう家から近いところに候補がある


ショートの施設は遠くて、帰宅の際の行き返りの移動も負担だ
去年秋から徐々にひと段階身体的に弱ってきてもいる
現在候補の施設には、箱庭が見える広いお風呂があって
私はとても気に入った、母も気にいってくれたら嬉しいのだけれど
環境の変化は負担なので、そのリスクを考えて躊躇っている


母にどうしたいか、聞いてみたいけど
おうちに帰りたい
正直な母の声にならない言葉が聞えて言えない
そういう話を冷静に出来る段階で最初から挑むべきだったのだ。。。



来月は母86歳の誕生日が来る
こうして2人で年をとっていった数年は母と向き合ってばかりだ
あなたにもあなたの今後の人生があるのだから
との周囲の声、その意味を私はわかっていないのかもしれない
いろんな意味で
この年で、どんな未来を思い描けばいいのだろう
私なりの希望は持っている



でも母も解っている
認知症の症状とは別のところで、ちゃんと解っている
だから帰宅からショートに行くとき
納得して送迎に乗る
以前のように嫌がってゴネたりしない
何よりそんな母が、また悲しくなる
心で詫びながら今日も母の帰宅を待つ



今日は珈琲館に行く元気あるかな?
前回はお店に到着したところで「眠い」といって
引き返した
珈琲館行く?と聞くと、行く気まんまんで「行く!連れて行って」
というんだけど^^