横顔

今日はちょっと風が強かったけど陽ざしがあったので
午後、母をちょっと帰宅させてあげた
久しぶりだ!
山茶花が満開で見せてあげたかったのと、長い間私の体調不良で
帰宅させてあげられてなかった
年明けにはと、ずっと考えていた


その間、母の認知症が進んでいる
車椅子に座らせてもすぐに「寝させて」と訴え
ベッドに寝かせたとたん「起こして」と言う
何度でも繰り返す
ベッドから身体を起こすのも車椅子に移乗させるのも
けっこう腰に堪える
こんな繰り返しの果てに2人して号泣していた日々があった


今は施設にいるので楽だが
この症状が出るの1年ぶりくらいな事が不思議
この症状はもうなくなっていたのに、、、
出たり引っ込んだりする
謎だ


最近また激しくなってきている
もう今日の夕食の介助に行った時に
とうとう私は母に怒鳴ってしまった、これまた久しぶりの自責の念
やっぱり情けない私だと、すっかり嫌になる
無力感につぶれそうになる

スタッフさんは人でが少なくて助けにきてくれない
何度もベッドから起こして車椅子に移乗させて
途端に寝かせてくれと訴えられ、ほっといて帰ればいいようなものの
それは施設に預けて家で看てあげてない後ろめたさから
交わすこともできず、まともに取り合って
またすぐ寝かせる為に車椅子からベッドに移乗させての繰り返しの果てに
母を睨んだら、母が手をあわせて「ごめん」という
「何がごめん?」と聞くと
「何回も起こして寝させて言って」と涙声で、、、
「いいんよ、いいよ」と部屋に寝かせに行こうとした


その時!近くで他の入居者さんの世話をしているスタッフさんの腰を
車椅子で通りすがりにトントンとする
スタッフさんは「はい、もう寝ますか?私がしましょうトントンされたからねぇ〜」
と手伝って下さった
ほんとは仕方なくだろうけどニコっと母にそういうスタッフ
そのスタッフに母もニコリ〜と笑い顔を返してみせた
”あんたがすればいい事なんよ”と言わんばかりだった!


その時の横顔が普通の”親の顔”になっている
認知症じゃない人の顔になっている!

なんて”不思議のヤマイ”なのだ認知症って!
そしてやっぱり親は越えられないって想いでの帰り道になった
でも、もう私は自分を責めない
それはもうツライ、しんど過ぎる
さんざん責めてきて、もう自分を責めるとか出来ない病になってるのかもしれない
それでいいじゃないか、それならそれでいいじゃないか
と、自分に言ってあげた



独りでの限界はとっくに越えた
越えても越えても、まだ前を向くことは誓いながら帰ってきた
きっと、母は何もかも解ってくれているんだと
やっぱり泣けてくる
でももう泣かない、もう泣くまい
今年の目標が出来た
介護のことではもう泣くまいと