ミステリー小説

cherryblossom2008-10-29


面白かった、「聖女の救済」

この秋話題の新刊。文庫本になってから・・と考えていたのに、たまたま入った本屋でお目当ての雑誌が見つけられないでフラフラしていたら、ひときわ山積みで、チラチラ目が行って、どうにも買ってしまった。

ミステリーの王道なのかもだけど、最近東野さんを読んで感じるのは、ほぼ8割りがら読んだあたりから、謎解きが急展開!キタキターッと身を乗り出して一気にラストまで。この加速する快感の為7割がた読み進んできたと言っても過言ではない。ミステリの醍醐味。

今回は明らかに「容疑者X・・」と同じキャストでの映画化を想定して書かれている気がする。しかも、福山雅治という名で福山雅治がチラっと登場するご愛嬌ぶり。東野さん載りすぎ?(笑)

容疑者Xのほうが、重厚な力作。直木賞だけのことはある。
今回は、純然たるミステリーとして、面白い。

映画化する程でもないが、それだけに映画化に向いているとも言える。
容疑者は、その深さゆえに、描くべきものが深く、2時間の尺には到底すべて描き尽くすのは難しい、なので原作ファンからは、満足って人も居れば、不満な点を上げる人も多い。人それぞれポイント見所がたぎに渡って、有るからだ。

その点に於いては今回はおそらく映画化し易いだろう。逆に言えば「どんな風に映画化されたのだろう・・」という興味がわかない、殆ど想像がつく。
ただ、湯川学ファンとして彼に会いには行きたい。

謎解きが解っても尚、読み返してみたくなる「容疑者Xの献身」は、奥深く小説として実に面白い。