一杯のコーヒー

cherryblossom2008-03-26


パリのギャルソンにとって、カフェは独特の美学に成り立つ舞台だという。オーダーを提供しながらも、店内を常に把握し、目配せを怠らず、常連客とはウイットに富んだ会話をかわす、優雅にワインを注ぎ、シャンパンの銘柄の説明はソツ無くこなし、流れるように客を招きいれ、席を立とうとする客は見逃さず絶妙に椅子を引く。パリの平均年収の3倍稼ぐギャルソンも居るのだとか。

ワインにはソムリエが居るように、コーヒー専門店にバリスタと呼ばれるスペシャリストがいる。

一杯のコーヒー、一仕事終えホッと一息入れたい時に、リフレッシュしたい時に、その光景は自宅であったり仕事場であったり、日常の中にある。
対して、お出かけしてコーヒー専門店で飲む一杯のコーヒー、そこには非日常空間が欠かせない!それこそが「おもてなしの心
そんな心意気を提供するのに必要なもの、それがパフォーマンスだとか。コーヒーの味はもとより、上質の器、小物、アイテム、心地のいい内装、それらを自分のものとし非日常の空間を演出できるパフォーマンスが求められる、のだが・・・このパフォーマンスと簡単 に言ってるが決して簡単ではない。仕事は丁寧でなくてはならない、かといって丁寧さに没頭していればいい訳でもない、過ぎるとタドタドしく素人っぽさが浮き出てしまう、そうなると非日常でなくなってしまうのだ、だからと言って気取っていればそれでいいものではない、一杯のコーヒーと言えど深い・・・。

ここではくつろぎながらも、心持背筋を伸ばして過ごしたい、そんな心地よい刺激を一杯のコーヒーから得られることができれば、まさにリフレッシュ!!

日ごろミルクと砂糖まみれにして飲んでいてもブラックに挑戦して背伸びしてみたくなるのも、いつもの自分スタイルに拘るのもそこは自由。